韓国に行って気づいたこと 坪単価よりSNSでの拡散を狙う

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@maxyoichi)です。お買い物してますか?

韓国に行ってきました。お買い物ではなくお店の視察や出店のお手伝いをしてきたのですが、今日のブログでは特に刺激的だった韓国のお店巡りでの感想や気づきをまとめてみたいと思います。

 

そもそもなんで韓国にいったのか?

毎朝、フェイスブックを開くとボクのタイムラインには「海外の先進的な事例」についての感想が大量に流れてきます。確かに読むと面白いですし、勉強にもなる。ボクも最低限情報をキャッチアップしなければいけないと思って一通り読むのですが、大抵最新鋭のテクノロジーを駆使した取り組みだったり、革新的なビジネスモデルだったり。「これ日本のアパレルブランドの規模感でできるとこって何社あるの?」って思うことがほとんど。

一方、インスタを開くと堅苦しい雰囲気はないし「画像で魅せる」ということは、最新鋭のテクノロジーも革新的なビジネスモデルも必要としないので「日本のアパレルブランドの規模感でも取り入れやすい」と思っています。そして画像で魅せることに長けた人を色々探っていくと、どうも韓国の方が目につく。撮り方はもちろん、背景のスポットなども「インスタ映え」なのだ。

こんな状態がしばらく続いたので「SNSの使い方がうまいブランドやお店を見てくる方がよっぽど多くのブランドの支援に繋がるのではないか?」と思うに至り、一路韓国を目指すこととなりました。

 

坪効率重視から坪効率度外視へ!

アパレル関係者で一昔前の韓国を知る人は、こんなイメージですかね (笑)。

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ここは一般のお客用ではなく、ブランドの人が「拾い」と呼ばれる買い付けを行う場所で、上から下まで所狭しと商品が並んでいます。ここで買い付けた商品にタグをつけて店頭で並べれば一丁あがり!これだけでウハウハという今から思うと狂乱の時代もありました。

まぁ、ここは一般の人に向けたお店ではないので極端な例でしたが、店舗運営において「坪効率」というのは各商業施設も一番重視する項目ですので、各社共に売上を担保するために売り場面積を最大限確保しつつも、従業員やお客様の使い勝手という観点からストックルームやフィティングルームにもスペースを割かねばならない。そのせめぎ合いにいつも四苦八苦しながら、売り場を効率化していくことがこれまでの常識でした。というか今もそうですね。

でも路面店を中心に韓国で人を集めているお店は、ちょっと様子が違います。

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その斬新なお店作りで話題のサングラスブランド GENTLE MONSTER 。4階建ての建物に入ると、この画像の通り1階は全部カラスがプリントされた紙が吊るされているだけ (笑)。BGMは「カァカァ」という鳴き声。以上。

2階に上がるとロボットアームがウニョウニョ動いていて商品が少しあるだけ。3階も4階もそんな感じで売り場面積の7割くらいは商品以外のスペース ( 先週いった香港のGENTLE MONSTERにはプリクラの機械がおいてあり、メガネの着用画像をプリントしたりメールで送ったりできます )。

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ハンドクリームを取り扱うTamburins は、間口を広げたりガラスばりで中を見せることによって「入りやすさ」を演出するお店が多い中、ロゴと窓が少しだけ。入ってみると・・・

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家具屋さんかと思うような店内。なにやらアーティストが作った椅子とのこと。

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商品はこんな感じで、こちらも売り場の8割くらいは関係ないスペースに割かれていたような気がします。

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このアクセサリーショップでは、

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フリーの wi-fi が完備されており、

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フォトスポット。

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2階に上がると商品は一切なく、映画も観れる休憩所になっています。しかもお茶も出てきて無料で何時間でもいれます (笑)。

フォトスポットについては、もはや定番という感じで

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日本でもおなじみのLINEのキャラクターグッズのお店も日本より広大なフォトスポットが用意され、

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スニーカーショップ atmosにも日本にはないフォトスポットが併設。

もちろん商品の撮影もOKですし、ゆっくりSNSにアップするためにそのスペースもwi-fi も用意され「どうぞ投稿してください!」といった感じ。

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で、お店だけの1人よがりではなくお客さんの意識もハンパじゃなく高い。

象徴的なシーンがこれ。インスタ映えするメニューが豊富で観光ガイドによく出てくる有名なカフェなんですが、女性2人だけなのに飲み物が5つ (笑)。1つ1500円以上するので全部で8000円くらいします。。。しかもこの後10分以上、いろんな角度で撮影。もはやおいしく食べられる量ではありません。

この二人は「おいしさ」より「いいね!」が欲しいのだと思うのですが、こうした光景はいたるところで見受けられます。彼氏はもはやカメラマン状態。撮影しては彼女に見せてダメ出しをうけて撮り直し。そしてまた確認、これを永遠と繰り返します。側から見ているこっちとしては「そんな変わんねーよ!」と何百回も突っ込みたくなりましたが、このたゆまぬ努力と徹底ぶりは日本ではそうそうお目にかかれない。

この「いいね!」至上主義ともいえるマーケットの中で服を売っているだけのお店は通販サイトとそう変わらず、わざわざ足を運ぶ理由はないのかもしれません。お客様が洋服を買うのは目的ではなくて、モテたいとか自信を持ちたいといった理想を叶えるための1つの手段。

今は自信の源となる「いいね!数」や「フォロワー数」が数値化され、みんなに可視化される時代になっています。そうなるとお客様の自信の源となる「いいね!数」や「フォロワー数」を増やすお手伝いをしなければならないので、服を提供するだけでは不十分。

服を提供することが目的であれば坪効率を意識して商品だけで埋めていけば良い。でも今のお客様は「いいね!」や「フォロワー」が欲しいと過程すると、坪効率を度外視してでもインスタ映えするシーンを提供し、お客さんが投稿したくなるような環境を提供する。これこそが通販サイトにはできないことであり、わざわざお店に足を運ぶ理由の1つになるのかなと感じました。

 

変えることを前提とした内装が今の時代にあっているのでは?

もう1つ感じたことがあります。

お店に変化を出す方法について店舗の方に尋ねると「ボディを変えます」とよく返ってきます。でもボクは常々「これだけ情報が多い中で、ボディを変えただけでお客さんは気づいてくれるのかな?」と思っていました。もっと「無かったはずのものがある」というくらい劇的な変化を持たせない限り、お客さんはその変化に気づかないんじゃないかと。

このお店はラックの前にブースが設置され、それぞれ店員さんが張り付いています。実は金曜日に行った際にはこのブースはなく土曜日になったら設置されていました。

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これは聞いた話ではないのであくまで推測ですが、週末だけなのかこの日からスタートなのか、いずれにせよポップアップとしてこの区画に出店しているんじゃないかなと。2日連続でこのお店に行きましたが「なかったものがある」という変化はやはり劇的で、何十軒もお店を回った中でも印象に残っています。

お店の中に違うお店を出す、セレクトするのは商品ではなくお店。それくらい劇的な変化があって初めてお客さんはその違いに気づき「わざわざ来たい」と思うお店になるんじゃないかなぁと感じました。店舗営業の方は大変ですけどね (笑) 。

セレクトしたものをお店に自然に馴染ませるのではなく、あえて異質な存在として切り出すことで期間限定感が演出される。また内装も1つ1つの区画を分けて、どこもかしこも何千万もかけて内装を入れる時代じゃないと思うんです。だってそこまでお金かけたら変化できないもん。もっとコンテナやラックで構成して、可変させることを前提としたフロアに変える ( 銀座のDOVERとか、もうないけど POOL のイメージね ) 方が変化が容易だし、今の時代に合っているんじゃないかなって。

服屋が服しか売っちゃダメって決められたわけではないし、ポップアップは商業施設だけの専売特許でもないと思うので、お店の一角に知り合いの化粧品ブランドとか雑貨屋があるなら出しても良いだろうし、ネット販売しかしてない新鋭ブランドに声かけて期間限定で店内でポップアップスペースを作るなど、集客の方法を自社の枠組み「だけ」から広げてみてもいいのかなぁと感じました。

 

お客さんは洋服が欲しいのではない! いいね!が欲しいのだ

今回、韓国行ってみて思ったことは

1.  フリー wi-fi 大事
2.  できればフォトスポット
3.  内装までの変化を前提とした店つくり
4.  「入りやすいお店」ではなく「入りたくなるお店」

この辺があると「わざわざ足を運びたくなるお店」になるんじゃなかなぁと思った次第。洋服だけなら通販でも事足りてしまうので、店舗の使命としては「着用していいね!を増やすためのシーンまで提供すること」が選ばれるお店の条件の1つにはなるんじゃないでしょうか?

お客さんは洋服が欲しいのではなく、いいね!やフォロワーが欲しいのだ。そう思って、いいね数やフォロワー数を増やすお手伝いをできるお店を意識してみる。

あ、坪効率? そのうち死語になるような気もしますが、いったんはバランスを考えて平台を1つどかしてフォトスポットにするとか、普段は開けておいて定期的に開催されるポップアップスペースにしてみるとか、一部分だけからでも試してみては?


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壁下 陽一
大阪府羽曳野市にある工場付き店舗と阿倍野区にある直営店の2店舗経営する(有)クリーニングビー代表取締役です。  店舗運営に加えて宅配クリーニングにも力を入れる。洋服のクリーニングだけではなく、洋服のメンテナンス方法を分かり易くブログで紹介しています。 たまにブログやFacebookの使い方講座などの講演活動も行っています。